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制作裏話とコストダウン
当初1/6サイズで試作しましたがそのサイズに合ういいスピーカーが無い。ちょっと大きなスピーカーに合わせてヘッド部を大きくしたらバランスが悪く1/5サイズに変更することにしました。スピーカーも10種類くらい買い込んで試作機のヘッド部を変えながら試聴し一番パワーがありいい音だった23φのUNISON製に決定。苦労したのは設計でした。レーザー切断の特性を考慮した配置やブリッジ作りが必要なのです。変更に変更を重ねました。当初独自音道パーツを入れたモデルではカット代(加工原価)だけで1万5千をオーバーし、部材、パーツ類をあわせると原価だけで2万円を超えてしまいます。コレじゃ誰も買わないだろうと諦めてしまいました。アクリルモデルは部材が高いので販売価格は3万円を超えるということになってしまいました。(ちなみにアクリルモデルは箱鳴りがほとんど無いので音量が小さく高音部だけが強調された感じになりスピーカーとはいえないもので販売は断念)そのときの試作がコレです。
コストダウン→
そのような経緯でキット化は頓挫しましたが、コストがかかる独自音道パーツは無くし、シンプルに、しかしスピーカーを接続しやすいようにRCA-スピーカー端子変換コネクタを追加しました。設計変更はなんと11回!ようやく世に出すことが出来ました。
今後皆様が作られたメッセージ、作品やHPを紹介していく予定です。購入していただいた皆様もそろそろ初期のエイジングがすんでいることと思います。ぜひ塗装してその後の変化をお伝え下さい。ご連絡お待ちしております。
それでは早速お一人目からのメッセージをご紹介
・仕事から帰ってちょこちょこと作っています。一本目を作って思ったのですが、パーツ5・14・16をまず組んでからそれに貼り付けていく感じで組んだらしっかりとした箱になると思います。どうでしょう?
〔大阪府・ノリさん〕
上記のノリさんが完成した写真とコメントをいただきましたのでご紹介します。
◆最初の1機の作成には手探り状態で思った以上に時間がかかりましたが、1機作成した後の2機目はサクサク作成できました!
以前メールでお伝えしたように5・14・16をまず組んでからそれに貼り付けていく感じで2機目は作成しました。
作成後、ドキドキしながらiphoneにつないで、再生ボタンを押して音が出た時は感動しました。私は図工が苦手で苦労しました。
正直、人に自慢できるほどの完成度は高くありませんが、今となっては苦労して作成したからこそ、愛着が沸きとても気に入っています。
小学生に時に夢中で作成した夏休みの課題を思い出しました。
→5・14・16から組み上げるのはナイスアイデアですね。近日中に写真でご紹介します。
<苦労して作成したからこそ、愛着が沸きとても気に入っています。>そうなんですね。自分で作ると愛着が沸くんですよね。
【改善点】ノリさんから頂いた改善して欲しい点です。
①作成説明書のところで、1枚目から2枚目の後半までは丁寧に作成方法が掲載しており迷いませんでいた。
しかし、2枚目の最後の方で完成図が突然でてきて、途中のプロセスがなく迷いました。
②べニアに番号が付いていますが、組み立てるときに番号が内側にくるように、組み立てるアドバイスがほしかったです。
ノリさんの改善点を反映し、左サイドの組立手順書を改訂しました。ノリさん有難うございました。
デザインフェスタ報告
出版物の片隅に展示していたのですが、見た瞬間気付いた方から初めて見る方からも「かわいい」という声が一番多く聴けました。次に「欲しい」という男性の腕を奥様、彼女が引っ張って去っていった方を何人も見ました(笑)。じっくり見て、聞いていただいた方々からは、小さいだけどしっかり音が出ているとちょっと驚いたという感想をいただきました。自分も塗装や内部にフェルトを貼るなどしているうちにミニチュアだけどんどん音が良くなり本当に面白いです。今年中にあと1,2機種ミニチュアで出したいと設計、試作中です。お楽しみに!

■Zipファイル 77.7MB (24ビット44KHz Zip圧縮したWAVファイルで77.7Mあります。解凍後は84.9M)
■ミニチュアスワンの音はどんな音?
で、録ってみました。普段はI-podからコネクタを通し直で聴いていますが、今回はアンプを通してちょっと大きめの音で聴いてみました。
アンプはトライステート社のデジタルアンプで2000円のキットで購入したものです。
録音方法はバイノーラル録音(私の頭をダミーヘッドに見立て、耳にマイクを仕込んで収録) 使用マイクadphox社製 BME-200をPCMレコーダーzoomを使って録音しました。
70センチ先に肩幅より広いくらいに離してスピーカーを設置
曲はホルスト の惑星 Op.32 木星、快楽をもたらす者
1956年録音(著作権切れ) 指揮レオポルド・ストコフスキー ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
エイジングについて
自作でスピーカーを作った方やオーディオマニアの方はご存知とは思いますが、エイジングという言葉を知らない方は是非お読み下さい。
エイジング(aging:老化、劣化、熟成)
新品のスピーカーを買って初めて聞いた際に、アレ?こんなものなの?と思ったことはございませんか?低音はボワボワして中高音も少し耳障りな感じがしたり…(人の感覚なので一概にあてはまらないかもしれませんが)しかし、音を出していくと日に日に音が良くなっていった経験はありませんか?
その原因はスピーカーのダンパーやエッジがならされていないためコーンがスムーズに動かないことが原因となり、最初はいい音が出ないのです。音楽を流しているとダンパーやエッジ等がならされいい音に変わっていくという現象です。自作スピーカーの場合はBOX部の歪みや湿度などで鳴りが悪いものが数週間から1年ほどで音が良くなるというものです。以前私がお世話になったショップはスピーカーをお客さんに渡す前に100時間程お客さんが良く聴く音楽をかけてエイジングをしてから出荷するという事を聞いて感心したことがあります。
このキットも組み立てた直後より1.2週間後あたりから音が良くなってきます。小型でもエイジングが必要なのです。(音楽をかける音量、時間にもよりますが、1週間から2週間程度で音が変わってくることに気付くと思います。私が聴いた感覚ですが、こもった感じが落ち着き低音も聞こえてくるようになりました)
塗装するとまた、がらっと音が変わります。正直、遊べて楽しいです。バイクにたとえると、高級な大型バイクではなく50ccのモンキーを改造する感覚です。
オーディオ遍歴
九州の田舎に住んでいた私は、小学生(低学年)のころ東京の料亭で修行を終えた叔父が近所に越してきました。其処には自分の背丈程ある大きなスピーカーがあり、色んな音楽を聴かせてもらいました。(そのスピーカーはTANNOYのYORKMINSTERだったのですがレコード針で有名な池田氏より譲っていただいたそうです)
その叔父が新築で家を建て引っ越していく際に本を処分していて、その中にあったサウンドレコパルを貰いました。その本には長岡先生のスピーカーを自作する記事が載っていたからです。その本は自作で作るという驚きとともにオーディオにはまるきっかけとなりました。しかし、田舎だし、子供なのでお金は無くスピーカー単体で売っているお店も無いわけで、壊れたラジオを分解してスピーカーを取り出して遊ぶくらいでしたが。次に出会った本が「ラジカセ自由自在」という本で、子供には高価だったラジカセは買えるわけが無くエアーラジカセ状態で・・・これまた拾ってきたり貰ったほぼジャンクなラジカセのスピーカーのコーンを塗装したり、平面スピーカーに改造したりして。その後小遣いとお年玉で念願のラジカセデビュー!FM、AM以外にテレビの二重音声まで聞けるというSONYのZILBA'P TVを買い、うれしくて抱いて寝ましたよ。その後はラジカセ、ミニコン、システムコンポとバイトのお金がつぎ込まれ、社会人になって、念願のバラコン!秋葉原のAVACの通販で購入しました。CDプレイヤーがDENONのDCD-1650GL アンプはSANSUIのAUα907DR DENONレコードプレイヤー、DATそしてテープレコーダーは後から買い足しましたが、問題は国産のスピーカーでstereo誌等の評価は高かったので期待してCDをかけたら愕然とするくらいの音で、(エイジングしてないので当然ですが)時間がたって、エイジングも進むといい音になりましたが、当時聞いていた音楽のジャンルには合わず、長い長いスピーカー探しの旅に出るのでありました。。。仕事で使うのはYAMAHA JBLのニアフィールドモニター、自宅では音楽を聴く間が無く通勤時にiPODをSONYのMDR-CD900STで聴くくらいになってしまっていました。オーディオ遍歴といいながらたいしたことが無くてすみません。。。
ちなみにオーディオ趣味のきっかけを与えてくれた叔父のYORKMINSTER今もいい音でなってくれてるそうで、最近、東京でレコードアームなどを作っていた別の叔父からMcintoshのアンプを譲り受けたそうです。いつか自分の好きなレコードとCDを持って一日中聴かせて貰いたいものです。